3月 『スウィート・ヒアアフター』よしもとばなな

よしもとばなな スウィートヒアアフター

 

決定的に変わることに憧れている人はたくさんいるけれど、

決定的に変わるということの本質を見ている人はとても少ない。

私もそうだった。もっと強い自分に変われたら、と願っていた。

でも変わるというのは暴力的に時間をねじまげることだ。

さっきいた人がいない、さっきあったものが消えている。

自分がここにいること以外、なにも確かなものがない。

嘆こうにももう嘆ける土台がない。思い出にひたるにももう

自分が変わってしまっているから、振り向けない。

どう変わったのかすら、わからない。

ただあてもなく変わったということだけだ。

(『スウィートヒアアフター』よしもとばなな )

 

中学に入ってすぐの国語の授業で

初めてばななさんの作品(『TUGUMI』)

に出会ったときの衝撃から、今日の日まで

ほんとうに、どれほど救われ

どれだけ助けられてきたかわからない。

 

この世界の空気が水が どうにもあわなく感じるとき

ばななさんの言葉は、

そうして息のしずらさ限界の手前で開く

酸素ボンベ、高原の風

本を読むことで、息ができた。

 

その数々の危機や孤独に生きるをくれた

ばななさんの本、言葉のなかでも

生きるより死に近いときを救ってくれたのが

3月11日の大震災を、あらゆる場所で経験した人

生きている人、死んだ人

全てに向けて書いたと あとがきにある

『スウィート・ヒアアフター』(幻冬社)

 

父とサンさんが同じ日に体を離れたその日から

それまでの自分も死んで、だけど体は生きている

半分死んで 生きている、

人生になかったただただ白紙、まっしろのときを

ばななさんのこの本、言葉は

そのなかでも自分のなかに残ってる

ほの明るい小さな火を

よりそいつつみ、消えないよう、守ってくれた。

守られて、わたしはいまのわたしを生きている。

生の奇跡と豊かさかみしめて、生きれてる。

 

タイミングもまた奇跡のようで

父のことがあって、大阪を離れ、実家へもどり

そこから思わぬ流れで京都で暮らすことになり

引っ越し先からは徒歩でゆける距離にある

京都の中央図書館で

まだ読んでいなかったと すっと手にした

本の表紙は、原マスミさんの絵で

空気が垂直に流れる冷気に ひやっとなった。

(読み終わってみる表紙、原マスミさんの絵は

またものすごいです。。)

 

読み始めてすぐ、そして最後まで

暴風雨にさらされてふっとびかけのたましいが

なんとか木の枝にひっかかりとどまり漂う、風船みたい

自分に起こっている 未曾有のひどく静かな緊急事態

本にあるほとんどすべてが、そばでわかる

 

ふっとびかけのたましいとからだをつなぐ

見えないひもの、結び目にある意識の認識

それがそのまま書き写されたかのように

その結び目の視点とおなじところから書かれている

(と感じる)小説は、舞台が東京、そして京都

いま自分がいる、みている景色に

ほんとうに、その重なりはそのときに

どんな不思議より、細胞がなみうつほどの

不思議な一致と、そしてそれがもたらす

嵐のなかで最大の、救いをもらう。

 

本当、暴力的にすら思う

そしてもう二度と戻らない

戻ることがゆるされない絶対的変化

髪はウォーズマンみたい短く切って

性別のない服をきて

京都へ来る前までの自分のすべて

前世にしか思えない

確実に、自分はもう前の自分ではない

さらにはたましいは外にでて

違うとこからその自分をながめてる。

それは、本には、

まぶいを落とすと書いていた。

それを読んで、この感覚は

自分だけの体験じゃないことも

本を通して、かみしめるみたい

確認した。

 

京都から大阪へ戻るのを決めたころ

お豆腐屋さんの奥さんが

急の病気で亡くなられて

京都を離れる日、

お豆腐屋さんのご主人に、この本をおくった。

 

書きたいことあちこちからあふれる

長くなってしまう。

 

 

主人公が再び生を生き始める

そのときそばにいるあたるさん

わたしも、あたるさん、そして小夜子さんの

覚悟ある自由に、救われました。

 

あたるさんに小夜子さんが思ったこと

抜粋します。

 

 

だれかの心が自由だということは、

他の人をも自由にするんだ、

でもそれにはとてつもない無頓着さと強さが必要なのだ

彼を知ってそう思った。

(『スウィートヒアアフター』よしもとばなな )

 

 

喪失を経たひと

本、とどきますように。

うまれた巨大な穴に

やさしさが、

満たされますように。

 

 

 

 

 

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